1人になり、また夜景を眺めた。風がより冷たく、強くなった。歌でも作ろうかと思ったが、なぜか急につまらなくなった。旅先ではなるべく1人でいたい人間だが、なんか違った。運転手さんといたほうが楽しかったのだ。それに気がついた。長崎の人は優しいですよ。道中、運転手さんが言っていた言葉を思い出した。
下りのロープウェイに乗ると、あっという間に地上に着いてしまった。駐車場にいた警備員にどうやって帰ったらいいのかを聞き、バス停を案内してもらい、バスに乗って繁華街まで戻った。あの楽しかった数十分は何だったのだろう。帰りもいっしょに山を下り、おすすめの店なんかを聞いて、そこまで連れてってもらう。それがきっと正解だったのだろう。反省しながら、夜道を歩いた。
翌朝は「冨士男」へ行きモーニングを食べた。ライブは活水学院という素晴らしい場所で歌わせてもらった。そして次の日、まったく予定には入れていなかったが、祖父の故郷である大村に行くことにした。長崎県大村市。まずは大村ボートへと向かった。とてつもなく寒い風が吹き付けていた。
つづく