東京都内の住宅価格高騰を受け、住宅政策「東京都住宅マスタープラン」(2022年3月策定)などの一環として、2026年度から提供を始める割安賃貸住宅のこと。
アフォーダブル(affordable)は、「手ごろな」を意味する形容詞。イギリスやアメリカ、ニュージーランドなどでは、以前から都市部を中心とした住宅価格高騰への対策として、低~中所得者層などに向けた「Affordable Housing」(手ごろな住宅)の提供を住宅政策として掲げてきた。例えばイギリス政府は、貸家、売家とも、市場価格より最低20%以上割安で提供されることなどをアフォーダブル住宅の要件に定め、2020年には、2021~2026年の5年間に、全国で最大18万軒のアフォーダブル住宅を提供するという計画を公表している。
都のアフォーダブル住宅は、「東京都の少子化対策2025」の一環でもあり、子育て世帯を主な提供対象としている。なお、「子育て世帯」にはさまざまな定義があるが、一例として都が推進する「子育て応援とうきょうパスポート事業」では利用対象者を「都内在住の18歳未満のお子様がいる、又は妊娠中の方がいる世帯」としている。都の「18歳未満の人員がいる世帯」は約118万世帯(2020年度「国勢調査」)。
また不動産会社「アットホーム」の調査「全国主要都市の『賃貸マンション・アパート』募集家賃動向(2025年9月)」によると、東京都23区のファミリー向け物件(50~70平方メートル)の平均家賃は24万8032円で、10年間で約1.5倍に高騰している。
都はこれまでも、都営住宅などの低家賃住宅を子育て世帯に優先的に提供してきたが、2025年11月、民間住宅と都営住宅の賃料の中間にあたる価格帯の住宅をアフォーダブル住宅として提供する計画を公表した。まず金融機関、不動産業者などが共同で運営する4つの官民連携ファンド「官民連携アフォーダブル住宅供給促進ファンド」を組織し、4ファンドで200億円(うち都から100億円拠出)を調達。ファンドは、周辺環境や間取りが子育てに適した住宅(新築・中古マンション、空き家などの戸建て住宅)をあわせて300戸ほど購入し、必要に応じてリフォームなどを施した後、2026年度以降、順次、市場の8割程度の賃料で貸し出す予定となっている。
さらに、都は2026年1月にアフォーダブル住宅の追加供給を発表。東京都住宅供給公社と連携し、同年度からの6年間で、同公社が有する住宅のうち子育てに適した1200戸を子育て世帯、新婚世帯に提供するとしている。