自衛隊・海上保安庁が平時において円滑に利用できるよう、自治体などの管理者と国土交通省・海上保安庁・防衛省との間で「円滑な利用に関する枠組み」を設けた民間空港・港湾のこと。
2022年12月に閣議決定された国家安全保障戦略など安保3文書で掲げられた、防衛力強化に関わる公共インフラの整備・強化という方針に基づくもので、現時点で、北海道の室蘭港から沖縄本島の那覇空港まで、全国の24の空港、33の港湾の計57ヵ所が指定されている(26年4月現在)。指定されたのは、南西諸島や自衛隊駐屯地の近くなど、大規模災害や武力攻撃などの事態に際して自衛隊や海上保安庁の利用が想定される空港や港湾である。
平時において、自衛隊・海上保安庁が訓練のために民間の空港・港湾を利用する際、通常は、そのたびに調整を行うが、特定利用空港・港湾では、管理者との間で訓練や使用のための連絡・調整体制があらかじめ組まれることになる。そのもとで、自衛隊は輸送機や戦闘機の離着陸訓練や護衛艦の離岸・接岸、必要な資材や人員などの展開訓練などを、また海上保安庁は災害対応やテロなどの警戒、捜索救難・人命救助などの訓練などを行う。
また、特定利用空港・港湾では、自衛隊の戦闘機や護衛艦などを使用できるように滑走路の延伸や港湾施設といった公共インフラの整備などの機能強化、さらに空港・港湾と自衛隊の駐屯地などを結ぶ道路の整備が国の予算で行われる。
なお、特定利用空港・港湾は平時における利用を定めたもので、武力攻撃などの有事には、「特定公共施設利用法」に基づいて空港、港湾、道路のすべての施設が自衛隊や米軍その他の外国軍による優先的な使用の対象となり得る。