北はイラン、南はオマーンに挟まれ、ペルシャ湾からアラビア海(インド洋)への出口となる海峡。最も狭い部分は幅33キロしかなく、航行の難所として知られている。ここはイランとオマーンの領海で占められている。
周辺にイラン、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、サウジアラビアなどの主要産油国があり、世界の消費量の約2割に当たる原油と液化天然ガスがここを通って輸出されている。日本は原油の9割、液化天然ガスの約1割を中東から輸入しており、その大部分がホルムズ海峡を通って日本に運ばれる。
「海の憲法」とも呼ばれる国連海洋法条約(1982年採択、94年発効)では、ホルムズ海峡はジブラルタル海峡や津軽海峡などと同じ「国際海峡」とされている。一般の領海であっても外国船舶が課徴金を課されることなしに通過できる「無害通航権」が認められるが、国際海峡ではそれに加えて航空機の上空飛行や潜水艦の潜没したままの航行を可能とする「通過通航権」が認められている。しかしホルムズ海峡では、イランもオマーンも国連海洋法条約に批准していない。
重要な海上交通路だが、この地域で混乱が生じればエネルギー供給の減少や価格高騰、それによる物価の上昇などが引き起こされる。イラン、UAE、サウジアラビアにはホルムズ海峡を迂回するパイプラインもあるが、輸送能力の限界から、同じ量の原油を運ぶことは困難である。