練習環境の差は縮まりつつある
さて、以上3つの国の練習環境についてご紹介してみましたが、皆さんはどのように感じたでしょうか? 私はやはり“アメリカでは誰かの家に集まってみんなで練習する”というイメージがずっとあったので、その文化がゲームの技術的進歩でインターネットによるオンライン対戦へ移り変わっていた――というのに驚きましたね。プロ同士があまり対戦しないというのも意外でした。
日本でもアーケード版ストVがリリースされなかったことで、ゲームセンターではなくオンラインでの練習対戦が主流になりましたし、アメリカ、韓国、日本はさほど練習環境に差はなさそうですね。今回の取材で、アメリカ人選手が変化した点としてスティーブさんもボソッと言っていました。
「以前はトレーニングモードで細かいテクニカル分析をするのがあまり好きじゃない選手が多くて、誰もが感覚でプレーしていて、読み合いがうまいのがアメリカ人っていう感じがしていたんだ。だけどストリートファイターVから大会の賞金が上がって、みんなそれを狙うようになったことで、最近はトレーニングモードや対戦動画の研究を重視するようになってきたように思う」
今回のEVO Japan 2018では、本コラムのためにインタビューした3人以外にもイタリア、フランス、台湾、香港、シンガポールといった、いろいろな国のプレーヤーたちと日本で交流することができ、本当にいい機会となりました。また来年も同大会が開催されると嬉しいなと思います。
それではまた次回。