2017年12月にはNHKのドキュメンタリー番組「ノーナレ」でも取り上げられ、プロゲーマー夫婦としての激しい生き様が注目された〈チョコブランカ〉。そんな彼女が、人生のピンチに陥っている。以前のように無我夢中になれることが見つからないのだ。悩んだ末に出した答えは「ゲームをやる」こと。今回はストリートファイターな日々の再始動に向けて、今やりたいゲームについての思いなどをあれこれ語ってみた。
やりたいことが見つからない!?
明けましておめでとうございます。皆さんは良い年末年始を過ごされましたか? 私はと言いますと、実家のある兵庫県に帰省して両親と正月を過ごすのが毎年の恒例だったのですが、2017年は仕事が納まらず、事務作業や経営しているスタジオの大掃除でばたばたしていたら18年が始まってしまいました。
「今年こそは仕事が滞らないよう、計画的に進めていく!」と固く心に誓った、そんな年明けでした。
しかし大掃除はいいですね。片付けをしながら旧年を振り返って反省し、新年の目標を決め、スッキリした気持ちで仕事始めを迎えられました。片付け、掃除は心まで洗われます!
さて、そんな私の18年の目標の一つに、「自分がやりたいと思ったことにどんどん挑戦する」というものがあります。よくありがちな目標ではあるのですが、これには理由があります。
実は17年末、プロゲーマー仲間でもある夫の〈ももち〉と自分たちの方向性や今後のビジョンについて話をする中で、「お前のやりたいことは何なんだ?」と聞かれ、私はその時に何も答えられませんでした。いったい私は何がしたいのか。どう生きたいのか。自問自答を繰り返しましたが、いまいちピンとくる答えが見つかりませんでした。「会社のためにこうしたほうがいい」とか、「みんなのために私はこうするべき」だとかは出てくるのですが、「自分がやりたいこと」がはっきり出てこないのです。
私はもともと、自分は「こう生きたい」とか「こうしたい」という欲求がたくさんあり、それを実現しようと活発に行動する人間だと思っていましたし、少し前までは実際そうだった気がします。が、気が付けば、いつしかそうではなくなっていたようです。なぜなのか……これは非常にショックでした。
学生時代に陸上競技にハマった時も、アニメや漫画にハマった時も、大学を卒業して車にハマった時も、格闘ゲームにのめり込んだ時も、とにかく無我夢中で好きなことを全力で楽しんでいました。活力に満ち溢れていました。
このクルマを買いたい!と思ったら、たとえ親に反対されても一心不乱にアルバイトをして購入資金を貯め、「ストリートファイター」をとことんやりたい!と思ったらこれまた親に大反対されながらも会社を辞めてゲームに打ち込んじゃうし、夫をプロゲーマーにしたい! と思ったら海外の企業にアタックしたり、不得手な英語でブログを始めたり……と後先考えずに、いつもとにかく無謀でがむしゃらでした。年を重ねて無謀さがなくなってしまったことで、私の活力も下がっているのではないだろうか。
「これは百地裕子、史上最大のピンチ!」
危機を感じた私は自分の本来の姿を取り戻すため、「誰かのためでも周りのためでもなく、自分が心の底からやりたいと思うこと」に耳を澄ませ、「やりたいと思ったその欲求に忠実に生きてみよう」と思ったのです。私の失われた活力を探す冒険の始まりです。
オープンワールドゲームに挑戦
まず、私は身近な“最近やりたいこと”を考えてみました。
そこで思い浮かんだことと言えば、時間も何も気にせず、思いっきりゲームをやりたい、ということでした。これを読んでいる皆さんだってきっと、学生なら勉強や部活、習いごとに追われ、社会人なら仕事や家族サービスに追われて、好きなことをじっくり落ち着いて楽しむ時間がなかったりしますよね。周囲のゲーム仲間からも、「狙っていたゲームを発売日に買ったけど、まだ封も開けていない」とか「途中までやってはみたものの、クリアしないまますでに一年経ってしまった」なんてよく耳にしますもの。
かく言う私も、なかなか時間をうまく使えていないので、最近は「ストリートファイター」以外のゲームをする時間があまり取れません。しかし、魅力的なゲームソフトはどんどん発売されているのです。また、いつかは再プレーしたい名作ゲームもたくさんたくさんあるのです!
ですから18年はまず、“時間も何も気にせず、思いっきりゲームをする日”を計画的に作ろうと思います。
今、私がじっくり腰を据えてプレーしたいと思っているのは、Nintendo Switch / Wii U用ゲームの「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」(任天堂)。17年3月3日にゲーム機本体であるSwitchと同時に発売されたゲームソフトで、オープンワールドが採用されたアクションアドベンチャーゲームです。オープンワールドとは簡単に言うと“攻略の順序や方法の順守が要求されず、自分の思う通りの順序で自由に楽しむことのできるゲーム”のことです。
発売されてからもう一年近く経ちますし、「面白い」と大好評だったゲームなので、すでに楽しみ尽くした人も多いことでしょう。でも私はと言えば、このゲームを発売日に購入して始めたのに、ストーリーを8割ほど進めたところで止まってしまっています。
何とクリアしていないのです! なので、早くクリアして物語のエンディングを見たいし、何よりその“オープンワールド”の醍醐味(だいごみ)である自由を楽しみたいのです。
このゲームをやっていると、どんどん夢中になって、あっという間に時間が過ぎてしまいます。なぜかというと、興味をそそられるイベントがそこら中に仕掛けてあって、あれしてみよう、次はこれしてみようとなるからです。そして自由に走り回ったり、料理したり、戦ったり、馬に乗って荒野を走ったり、虫を捕まえたり、武器を探したり、ダンジョン(迷宮)をクリアしたり、もう本当にストーリーを好きに進められます。舞台となる世界もとてつもなく広い。間違いなく、時間も何も気にせず今すぐやりたいゲームの一つですね。
協力プレーで「夫婦力」アップ
それからオープンワールドのゲームで言えば、18年1月26日発売予定のPlayStation 4用ゲーム「モンスターハンター:ワールド」(カプコン)も楽しみ。自由に大地を駆けめぐって、モンスターを狩ってみたいですね。
新作ゲームって、発売前のワクワク感も楽しさの一つ。いったいどんなゲームなんだろう? って、あれこれ想像しながら手元に届く日を待つのもたまらないものです。ゲームが好きな人なら、きっとこの気持ちをわかってもらえますよね。
次に私がやりたいと思っているのは、03年に発売されたニンテンドーゲームキューブ用ゲーム「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル」(スクウェア・エニックス)です。これは2~4人で協力プレーができるロールプレイングゲームです。キャラクターを操作し、お互いに協力しあい、様々な状況下にて与えられる試練を乗り越えて目的の達成を目指します。
私は誰かと楽しさを共有しながらゲームをプレーするのが好きなので、協力プレー方式のゲームは大好物です。それに、この「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル」は、音楽や世界観が素晴らしく素敵なのです。オープニングで流れる音楽が幻想的で、冒険心を「これでもか!」というぐらい高めてきます。そうなったらもう止まれませんね。