憲法9条の下で専守防衛と非武装の国際貢献の道を行くのか、それとも今回の安保法制が開いた扉をくぐって、海外で武力行使をする国へと進むのか。「どちらにしても国民の覚悟が必要ですよ」と井筒さんは言う。
そうなのだろう。そして、私たちがどちらを選択するにしろ、その結果を真っ先に引き受けるのは自衛隊員たちだ。彼らもまた制服を着たごく普通の庶民であり、命の重さは私たちと変わりがない。そんな当たり前のことを忘れて勇ましい議論をしてはならない。私たちの誤った選択が、彼らを理不尽な死に追いやる。「戦地に行くのは私とは無縁の特別な人たちでしょ」「自衛隊に入った以上、危険は承知の上でしょ」では、もう済まされない。私たちはすでに、安保法制をもつ国に生きている。