私もたまにメディアで「難民高校生を救いたい! 仁藤夢乃さんの挑戦」などと取り上げられることがあるが、そのたびに女の子たちと苦笑してしまう。「私は専門家。救済活動をしています」という人こそ、うさんくさいことを彼女たちは体験をもって知っている。
「どうせ大人は助けてくれない。誰も私のことは救ってくれない」と女の子に言われた時、「私は神様ではないから救えないと思う」と話す。だけど一緒に考え、行動することはできる。一緒に過ごし、苦しみや怒りや喜びをともにし、一緒に生きたいと思っている。そのことは言葉や態度で繰り返し伝えたいと思っている。
「何もできないということを、知ったうえで関わる。その中でできることをする」
仲間たちとの再会で、大切なことを確認させられた。自分の無力さを知る人は強い。絶望を知る人は強い。
このコラムのバックナンバー
1~5ランキング
連載コラム一覧
もっと見る
閉じる