それだけ、若年女性支援とは何かが日本社会は理解されていないのだ。少女たちの置かれている現状や抱えているもの、性売買業者やその周辺の関係者たちの巧妙な動きや、それを支える搾取の構造、背景にある女性差別の問題への深い理解、さらには女性たちがどのような暴力の中で生きてきて、どれだけの傷を抱え、回復にどのような時間と支援が必要なのか――。今起きている問題や構造への理解がない、知らない、「専門家」を名乗る人たちに専門性がない状況がある。そうしたことを見抜いている性売買業者らが、「支援」の名を借りて福祉にも入り込んでいる。それに気づかず行政が誤った支援をすることも繰り返されている。そして善意の民間団体も、彼らのことを見抜けずに連携を始めている。これがトー横キッズ「支援団体」での性暴力事件が相次いでいる背景だ。
今、日本で何が起きているのか。なぜ若年女性支援が必要なのか。公的支援の在り方や支援現場の実態はどうなっていて、どのような議論がされてきたのかを知り、これからの社会を共に考えてほしい。