ということで思い出したのは、数少ない高齢者の「推し活」を記録した漫画、『バンギャルちゃんの挑戦』(KADOKAWA、2015年)だ。本書はヴィジュアル系の「追っかけ」である著者の蟹めんまさんがK-POPやプロレス、アイドル、宝塚など他ジャンルの追っかけ現場に挑戦するものなのだが、演歌の現場にも突撃している。
訪れたのは、「都内某ホール」で開催された多くの若手演歌歌手が出るイベント。会場に詰めかけたのは大勢のおばあちゃんたち。手押し車を押す人もいれば酸素吸入器を持参する人もいる。そんなおばあちゃんたちは公式グッズのふろしき(ふろしきが公式グッズという時点でいろいろニーズをわかってらっしゃる)でペンライトの袋やバッグを手作りし、コンサートでは若い男性歌手に黄色い声を発し、終わればオールスタンディングで2時間出待ち。カラオケは本人映像があるという理由で「最新のDAMがあるとこ」に行くと即答したりと、なんというか、バンギャとほとんど一緒なのである。思えば氷川きよし氏のファン層を見れば明らかなように、この国の女性たちは皆さんご高齢でもバリバリ「推し活」に勤しんでいるではないか。
ということで、私にはもうひとつ、新たな目標ができた。
それは、80歳になってもライブに行くこと。
そのためには健康第一だ。30代後半くらいから2時間立ちっぱなしのライブには足腰が悲鳴を上げるようになってきた。が、こんなことでは東海林さんは目指せない。生涯の「推し活」のために、まずは体力をつけるところから始めなければ。
ということで、いくつになっても新しいバンドやジャンルにも挑戦し続けたいと思う所存である。