『当時の物証』が効果的なんだけどな…」(8)
もちろん、岩波書店の本だから正しい、東大教授などの肩書きがある人の本だから間違いない、と言うつもりはない。しかし、この3行の中にある「書籍は証拠として弱い」「ツイッターと同じで捏造も簡単」「物証のほうが効果的」という主張に、これまで自分が学生時代から、医師になった後もずっと学んできたこと、大学教員として教えてきたこと、書き手として書いてきたこと、すべてが無意味だと言われたような気がして、文字通り頭が真っ白になった。
私が茫然として言葉を失っていると、別の人が問いかけてくれた。
「で、キミは読んだんか?」(9)
すると、その善意ある人の問いに対する答えが、さらに私への打撃のダメ押しとなったのであった。
「時間は有意義に使う主義」(10)
ほかに、書籍を紹介したことで激しく怒り出す人もいた。
「そこまで言うなら口だけじゃなく証拠を見せろ。自分で全容は不明と書いておきながら、あたかも真実のように公言するって事は自分で言った事に対する証拠を持っていて言っているんだろ?何もないのに『ありました』、そんな寝言をどこの誰が信用するんだ?『ひどい扱い』とやらの証拠を見せなさい。」(11)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
歴史や記憶の消却や忘却。書籍など文字への圧倒的な不信感。
なにも5Gの普及を待たなくても、日本ではすでに「目に見えるできごとにしか興味がない。歴史なんてウソかもしれない。文章、本、文字なんて読みたくもないし信じられない」という変化が起きているのではないか。いや、起きているというより、一部ではもうすっかり定着してしまったのではないだろうか。
そしてこういう状況の中で、さらに「動画化」、「脱文字化」が進み、主体的に何かを調べようとはせずに、AIが勧めるものだけをひたすら受け入れる「受け身化」が進んだら、どんなことが起きるのか。
せめて5Gが普及するまでのあいだに、正しい歴史教育の必要性や文字による知識の重要性を訴えるなど、「今だからまだできること」をしておいた方がよいのか。それとももう遅いのか。
しかし、冒頭で紹介した中国人女性の言葉が本当なら、日本にはまだ「1年半の猶予」があるらしい。だとしたら、それをどう使うか。そこに日本のすべての命運がかかっていると思う。
・ツイート出典一覧(2019年10月28日時点)
ツイート出典一覧(2019年10月28日時点)
(1)https://twitter.com/rkayama/status/1169827645032288257?s=20(2019年9月6日)
(2)https://twitter.com/ZEKE41481311/status/1171189872582750209?s=20(2019年9月10日)
(3)https://twitter.com/kei_nakazawa/status/1170929040011563009?s=20(2019年9月9日)
(4)https://twitter.com/kei_nakazawa/status/1170931721111404545?s=20(2019年9月9日)
(5)https://twitter.com/kei_nakazawa/status/1170931722470313991?s=20(2019年9月9日)
(6)https://twitter.com/rkayama/status/1171373386624167937?s=20(2019年9月10日)
(7)https://twitter.com/MitsuruSwiftie/status/1171380695911911425?s=20(2019年9月10日)
(8)https://twitter.com/oput3HXSKB1hwND/status/1171376274461167616?s=20(2019年9月10日)
(9)https://twitter.com/fukutunonihon/status/1171380829399830529?s=20(2019年9月10日)
(10)https://twitter.com/oput3HXSKB1hwND/status/1171382782783700993?s=20(2019年9月10日)
(11)https://twitter.com/lga771/status/1172116487416369155?s=20(2019年9月12日)