邯鄲之歩
(かんたんのほ)
中国の燕(えん)に住む田舎者が、趙(ちょう)の都邯鄲(かんたん)の人々の歩き方にあこがれてまねをしたが、だめであった上に、本来の自分の歩き方さえも忘れ、はらばって帰ったという故事から、自分の本分を忘れて他人をうらやんでまねをすると、どっちつかずになってしまうものだという戒め。『荘子(そうし)―秋水』の中にある言葉。「かんたんのあゆみ」とも読む。
〔例〕「最近のきみのバッティングフォームには乱れが見えるようだ。殿堂入りをした大打者を思い出させるようなフォームだが、きみはきみなりの独自のスタイルがあるはずだ。わき目をふらずきみの持ち味をこそ磨くべきじゃないかな。さもないと、邯鄲之歩になってしまうよ」などと使ったりする。
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五十歩百歩
(ごじっぽひゃっぽ)
(戦場で五十歩退却した者が百歩退却した者を笑うことから) 少しの差はあるが、本質的にはほとんど同じことをいう。中国で梁(りょう)の恵王が、隣国との政治の比較を孟子(もうし)に問うたときに、「あなたの政治は、隣国とほとんど変わっていない」と答えたという故事にもとづく句である。
〔類〕猿の尻笑い/誰か烏の雌雄を知らんや/団栗の背競べ/鍋(なべ)が釜(かま)を黒いと言う/目糞鼻糞を笑う
〔出〕孟子(もうし)
〔会〕「ねえ、お正月は香港(ホンコン)かハワイにでも行きましょうよ」「どっちも、五十歩百歩だな。よし、思い切ってだな」「えっえっ、どこどこ」「今年も自宅だ」
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牛の歩み
(うしのあゆみ)
人の歩みや物事の進みぐあいの遅いことのたとえ。牛歩。「初詣(はつもう)での人で、社前までは延々牛の歩みだ」
〔語源〕牛のゆっくりとした歩き方から出た言葉。
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