董狐之筆
(とうこのふで)
中国の春秋時代の晋の史官であった董狐が、霊公が趙穿に攻められて殺されたときに、正卿の趙盾があらかじめ霊公をいさめるということがなく、しかも君主を殺害した趙穿を討つということもなかったので、その罪は趙盾にこそあると書き記した、この『春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)―宣公二年』にある故事から、転じて、権勢を恐れず真実を記録し発表すること。
『文天祥(ぶんてんしょう)―正気歌』に、「在レ斉太史簡、在レ晋董狐筆」と記されている。
〔例〕「最近の新聞は、センセーショナルな報道を追うあまりに、不正確な記事を載せたりすることもあるようだが、記者にとって第一に心掛けてもらいたいのは、董狐之筆の精神である」などのように使う。
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ペンは剣よりも強し
(ぺんはけんよりもつよし)
文字を通じて表現される文学や思想は、武力よりも大きな力があることをいう。
〔類〕文は武に勝る
〔出〕西欧故事(せいおうこじ)The pen is mightier than the sword.の訳。
〔会〕「あの市長とうとう辞任するそうですね」「そりゃあ、あれだけ新聞に収賄事件のことを書かれちゃあ」「ペンは剣よりも強しですね」
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社会の木鐸
(しゃかいのぼくたく)
世の人々を目覚めさせ、教え導く人。「ぼくは将来、新聞記者として社会の木鐸となりたい」
〔語源〕「木鐸」は、木製の舌を持った金属製の鈴で、昔、中国で法令などを人民に触れて歩くときに、これを振り鳴らしたことから。
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