経済グローバル化の中で、広域に流通させるため均質化され失われていった、野菜を見直す動きが出ている。気候風土に根ざし改良されてきた伝統野菜等のうち特色のあるものを取り上げる。(「イミダス2002年版」掲載。資料:良い食材を伝える会編「日本の地域食材’00」)
四方竹(しほうちく)
高知県南国市産。秋に採れる細たけのこで、断面が角ばっている。白木谷地区では古くから食用として作られていた。竹の高さは5mほどで表面は褐緑色。10月上旬から約1カ月間出荷している。淡泊で繊細、えぐみが少なく美味であるが、生のままではすぐ変色してしまうので、その場でゆがいて皮をはぎ、出荷する。
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晩白柚(ばんぺいゆ)
熊本県八代市産。デコポンとともに熊本県の特産品。文旦(ぶんたん)の一種で、直径20cm以上にもなる国内最大の柑橘類。原産地はマレー半島で、八代地方の風土に適していたため改良を重ね現在の形になった。名は、晩成で白い柚(ゆず)の意味。さっぱりした上品な味で、芳香がある。12月~3月に出荷される。
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黒皮かぼちゃ
宮崎県宮崎市、川南町産。「日向かぼちゃ」ともよばれ、大正時代より宮崎県の特産野菜として栽培されてきた。日本種のかぼちゃで、縦溝が深くつやのない黒色で、完熟品は白い粉を吹く。味はねっとりしており、煮付け・天ぷらなど和食に向く。洋種の「えびす」に押され一般家庭での需要が減り、関西の料亭などで使われている。
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読谷(よみたん)紅いも
沖縄県読谷村産。皮だけでなく、中身まで鮮やかな紫色のさつまいも。1955~65年以降、沖縄全域で栽培されていたが、土壌が最も適していた読谷の紅いもが特産品となった。ビタミンC・カリウム・ポリフェノール・食物繊維が豊富。もっぱらペースト、チップス、アイスクリームなどの加工品として販売されている。
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