志操堅固
(しそうけんご)
かたい意志をもち、なにものにも動かされないこと。自分のこころざしと節操を守り、変えないこと。「志操」は、こころざしとみさお。かたいこころざし。
〔例〕「時の権力におもねることなく、常に志操堅固であってほしい」とか、「お母さんも、あの沢村先生に教えてもらったのよ。昔から生徒に人気があったわ。志操堅固というか、今でも変わらない優しさで生徒に接している。なかなかできないことよ。若い先生に見習ってもらいたいぐらい」などのように使う。
〔類〕志操堅確(しそうけんかく)/道徳堅固(どうとくけんご)/道心堅固(どうしんけんご)/堅忍不抜(けんにんふばつ)/堅忍持久(けんにんじきゅう)
――「道心」は、道徳心、道徳上の観念という意味。仏道を信仰する心もいう。
◆その他の四字熟語はこちら!【スピーチに役立つ四字熟語辞典】
馬を鹿に通す
(うまをしかにとおす)
権威をかさに着て、筋の通らぬことをむりを承知で押しつけることをいう。中国で、権力に野心を燃やす秦(しん)の趙高(ちょうこう)が、謀反(むほん)を企てたさい、臣下が自分につくかどうかを試そうと考え、時の幼帝に鹿を馬と称して献上した。幼帝がこれは馬でなく鹿であろうと臣下に尋ねると、臣下のなかのある者は黙して答えなかったが、趙高にへつらう者たちは、いや馬であると答えた。だが、幼帝に忠誠を誓い、正直に鹿だと答えた臣下は、趙高によってひそかに厳罰に処せられ、それ以後、人々をふるえあがらせたという故事による。
〔類〕鷺を烏/鹿を指して馬と為す
〔出〕史記(しき)
〔会〕「許せんな。ほら、あの国会議員の先生さ。高速道路のコースを自分の田舎を通るように変更させたという話だ」「馬を鹿(しか)に通すというやつだ。しかし、そんな権力ってやつを一度はもってみたい気もするな」
◆その他のことわざはこちら!【会話で使えることわざ辞典】
無冠の帝王
(むかんのていおう)
新聞記者のこと。「権力に迎合するような記事を書くようでは、無冠の帝王の名が泣きはしないか」
〔語源〕特別な地位や肩書きはないが、実力のある者。また、権力に屈しない者の意から。
◆その他の慣用句はこちら!【ルーツでなるほど慣用句辞典】