カタカナ語が多い園芸植物の名前も語源をたどれば覚えやすくなるだろう。(「イミダス1999年版」掲載・編集。参考:中村浩著『園芸植物名の由来』東京書籍)
アネモネ(anemone)
広く北半球に分布し、約90種が知られる。キンポウゲ科アネモネ属の植物。ギリシャ語で「風の娘」を意味するアネモ(anemo)が語源で、風がよく当たるところに生育するから、または女神たちの嫉妬をかって殺された美少年アドーニスの血から芽生え、風が吹いたときに赤い花を咲かせたという神話から、風(anemos)にちなむともいう。
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アマリリス(amaryllis)
ヒガンバナ科の植物で、南アメリカ原産の数種を交配。古い属名をそのまま使っている。学名ヒッペアスツルム・ヒブリダム〔Hippeastrum hybridum〕。ヒッペアスツルムはヒペクス(hippecus=騎士)とアストロン(astron=星)の組み合わせ、ヒブリダムは「雑種の」を表す。4枚の剣のような葉を騎士の剣に見立てた名前と思われる。
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アルメリア(armeria)
春、花壇のふちどりに植えられているのをよく見かける花で、和名をハマカンザシというイソマツ科の植物。花はふつう赤色だが、紫や白もある。名前からわかるとおり海浜に生え、形はかんざしに似ている。学名はアルメリア・ブルガリス〔Armeria vulgaris〕。アルメリアはラテン名らしいが、意味は不明。ブルガリスは「ふつうの」の意。
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アンスリウム(anthurium)
サトイモ科の多年草。仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる大きなハート形の苞から突き出た1本の棒状の花軸(肉穂)に、小さな花が密集してつく。アンソス(anthos=花)とオーラ(oura=尾)を組み合わせた言葉で、肉穂をしっぽに見立てた名。仏炎苞が真紅、暗赤色、白などで、肉穂がクリーム色、仏炎苞も肉穂も朱赤色のものがある。
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