大通りに戻り、また別の路地に入りしばらく歩くと、ざわわで有名な「さとうきび畑」の歌誕生の碑があり、その先にようやく目的のチビチリガマが現れた。観光地という感じはしないが、トイレもあり、数台分の駐車スペースもある。歩き疲れたので一旦ブロックに腰掛けて水を飲んだ。
しばらくすると車が入ってきて、60代くらいの男女4人組が、チビチリガマへの方へ歩いていった。観光客だろう。しばらくしてその4人組が出てきて、入れ替わるように茂みの中へと階段を降りていった。ハブに注意、という看板があった。
ここで昔悲惨なことが起きた。大きな樹を眺めた。あまり長くは居られなかった。
とにかく歩き疲れて腹が減った。しばらく歩くと「花織そば」、という旗が見えた。喫茶店にでも入ってゆっくり考え事をしたかったが、見当たらないのでそのそば屋に入った。地元の若い母娘二組の先客がいた。椅子に腰掛けメニューにあった「花織そば」を注文。これが沁みた。美味い。出口でおにぎりを買ったかもしれない。それからまた歩いたのかバスに乗ったのか。海を目指した。米軍が初めて沖縄本島に上陸したという読谷の海。そこを目指した。また歩いているとフェンスが現れた。米軍基地のフェンスだった。上陸から70年以上経っているが、米軍はまだいる。フェンス沿いに歩き、ようやく海に出た。岩が削られていて、砲弾の跡だと、看板に書いてある。海は綺麗だった。サンダルのまま海に足を入れて、しばらく海を眺めた。ここにものすごい数の艦隊が現れて、海は真っ黒だったという。ラフな格好の白人女性が2人、岩場を散歩していた。自分も岩場に移動し、また海を眺めた。尻が痛い。ズズッとお尻をずらすとジッと音がした。少しズボンが破けた。
しばらく海に滞在して、那覇の宿に戻る時間を意識しながらどうするか考えた。最終バスまでまだ時間はあった。大通りへ戻ると床屋が多いことに気がついた。なんでこんなに多いのか。せっかくだから髪でも切るか。この街で一番いけてる髪型にしてもらおう。1軒の床屋に入る。
大将は地元の中学生の髪を切っていた。横の椅子に座る。おかみさんが担当してくれるようだ。どのくらい切りますか。そうですね、自分に似合いそうな髪型をお願いします、お任せで。そうねえどうしようかしら、と言いながらばすばす切っていく。切る前の写真を撮らなかったのが悔やまれるが、けっこう長かった。短いの似合うと思いますよ、とどんどん切っていく。途中、ん〜切りすぎたかな、とおかみさんは微笑み、鏡を見るとたしかに短い。でも蒸し暑い6月の気候にぴったりだ。色々お話を伺い、店を後にした。