何よりも賭場の雰囲気がしっくりくるのだ。建物、場所、風景。そこにいる人間たち。一様にゴールを目指しているが、果てがないようにも感じる。風を切る、そして風をつくる。ぼーっと生きていても、気づかないうちに自分の重さに耐えられなくなる時がある。そんな時、賭場に吹く風は、その重さを引きはがしてくれる。体の中を駆け抜けて吹き散らしてくれる、そんな感じがする。
建物の中は暖かかったが、外に出ると非常に冷たい風が吹いた。
大村ボートは大村湾の中で行われているので、目の前にあるのは海だった。潮の香りがする。そして目を凝らすとそこかしこに魚が泳いでいた。