長崎ライブの翌日、イベント企画のU氏と茶店で落ち合った。
「ツル茶ん」というこれまた気になっていた喫茶店。
メニューを見ると長崎名物のトルコライスがある。長崎滞在3日目だが、まだ食べていない。
しかし腹はまったく減っていなかった。モーニングを食べていたのだ。悔しい。コーヒーを頼む。この日はライブがなかったので、そのまま長崎に留まるか、次の日のライブ地である福岡に前乗りするか、考えた。U氏のスマホで地図を見させてもらう。長崎から福岡へ行く途中に大村という地名が見えた。大村。たしか祖父(じい)さんが育った街。大村で昔働いていた、ということも知っていた。それから大村ボート。そう、大村ボートは競艇発祥の地なのだ。ボートレースは数えるほどしかやったことがないが、そそられた。車で武雄に戻る途中なのでU氏は連れて行ける、と言ってくれる。これしかない。その場で大村の宿をおさえてもらい、荷物を車に詰め込んだ。
この日は曇り。11月30日。途中休憩で寄ったコンビニの外も寒かったが、大村ボートに着いた時の冷え込みはそれ以上だった。建物の中に入ってレースの予想をした。おそらく改修工事をしたのだろう、建物はピカピカだった。暖かいし、水お茶の無料サービスは二日酔いにはほんとに助かる。紙コップに水を入れ、そこにお湯を注ぐ。それを何杯も飲んだ。
着いた時はちょうど3レース目だったか。U氏は2レースほど買って、先に帰って行った。早くもデータの特性に気づき当てそうになっていたが、惜しかった。私はまったくダメで、こんなに当たらないのにどうして競輪や競馬を続けているのか不思議だ。
いつかは特大ヒットをと狙っているが、この日もまったくダメであった。ボートは6艇で競われるが、たった6艇の舟の着順、1、2、3着を当てるのも難しいのである。向いていない。でもやめようとは思わないのも不思議で、それがギャンブル依存症というやつなのか。依存症がどういうものなのか詳しくは分からないが、自分の場合は大した金はかけない、だから、ギャンブル依存症に注意して程々に遊びましょう、みたいなポスターを見かけても、へーくらいにしか思わない。もしかしたらこれがもう依存状態なのかもしれないが……。