その感染リスクを高めることのないようお願いいたします」と発言しました。しかし、そこにはバイト難民となって、都市部での生活に困っている学生たちの現状への認識が不足しています。
特に都市部は住居費を始めとする生活費が高いので、アルバイトが減るとすぐに困窮してしまう学生が少なからず存在します。バイト難民となったことで、学費が支払えず学籍を失ったり、奨学金返済ができなくなったりする若者が、多数出てくることは絶対に避けなければいけません。そのためには、大学・短大・専門学校の学費の延納や分納、奨学金返済の猶予を幅広く実施することが求められます。
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私が共同代表を務める「奨学金問題対策全国会議」は、3月19日に文部科学省及び日本学生支援機構に対して、「新型コロナウイルス感染症の影響に鑑み貸与型奨学金の返還期限の猶予を求める緊急声明」を出しました。
【声明の趣旨】
1. 貸与型奨学金の全ての借主・連帯保証人・保証人に対し、今後、最低1年以上の期間、一律に返還期限を猶予すること。
2. どうしても一律に返還期限の猶予ができない場合には、返還期限猶予制度の利用基準を大幅に緩和し、必要な人がもれなく返還期限の猶予が受けられるようにすること。その際、特に、以下の点に留意すること。
(1)返還期限猶予制度を利用するための現在の所得基準(年収300万円以下、年間所得200万円以下)を大幅に緩和すること。
(2)延滞があることによって、返還期限猶予制度の利用を制限しないこと。
(3)所得、病気、障害等について厳格な証明資料を求めず、本人の申告も含め、柔軟に対応すること。
(4)学資金の借主・連帯保証人・保証人の全てに対し、大幅に利用基準を緩和した返還期限猶予制度を個別に周知するとともに、利用を促すこと。
(5)相談体制を人的・物的に拡充・整備し、簡易な手続で迅速に返還期限の猶予が受けられるようにすること。
(6)新型コロナウイルスによる市民の経済生活、社会生活への影響が消滅したことが確認されるまでの間、今後利用する返還期限猶予制度の期間は、現在の利用可能期間である10年に算入しないこと。
また4月7日には、労働者福祉中央協議会(中央労福協)と共に、新型コロナウイルス感染拡大に伴い「『奨学金返済猶予と学費支払い猶予・延納・分納』を求める緊急記者会見」を文部科学省記者クラブで行いました。私は若者のミカタとして、新型コロナウイルス感染拡大の影響で生み出されている「バイト難民問題」を可視化し、これからも社会問題として積極的に提起していきたいと考えています。
政府や行政は、学生に対する補償についても真摯に取り組むべきだと思います。学生の皆さんも相談窓口を頼るなどして、あきらめることなく苦境を乗り切ってほしいです。