そして、同日17時30分から私たちが開催した「高等教育費の負担軽減を求める院内集会」の内容や熱気もすごいものでした。私はこの集会の「基調提起」を担当、7分という時間制限がありましたが学生たちの運動を意識して次の言葉を盛り込みました。
「高等教育費の高さがこれだけ深刻な問題になっているにもかかわらず、24年、東京大学や広島大学をはじめとして多くの大学が学費値上げを発表しました。学生・保護者がこれだけ苦しんでいる状況の中での学費値上げは、暴挙といっても過言ではないと思います。しかし、これに対して学生からの反対運動が広がったことは大きな希望です。本日も15時30分から衆議院第二議員会館で学生たち主催の院内集会が行われ、この近くでは学費値上げ反対を訴えるスタンディングが行われています。この学生たちの声に応えることが重要でしょう」
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私の「基調提起」から始まった院内集会には、20人以上の国会議員も参加しました。中でも「苦しむ学生の声を聴く!」集会から連続して参加した議員は、当事者である学生の発言に心を強く動かされたことを口々に訴えました。その中の一つには、「苦しむ学生の声を聴く!」集会で司会進行を担当した金澤伶さん(東京大)からの発言もあり、ポイントをおさえた的確なその訴えは、参加者に学生の現状を伝える上で重要な役割を果たしました。
かくして高等教育費負担軽減を求めて2つの院内集会が開かれ、議員会館前で延べ100名近くの学生による学費値上げ反対のスタンディングが行われた25年2月13日は、学費の値上げに反対する私たちにとって画期的な一日となりました。私たち中高年世代中心の運動と、若者を中心とする現役学生の運動が有機的につながり始めたからです。
「すべての人が学べる社会へ 高等教育費負担軽減プロジェクト」は25年2月以降、個人署名については取り組みの延長を決定しました。高等教育費負担軽減が実現できるかどうか、それは今後、私たちのような年長者が若者たちとどれだけ強く結び合えるかにかかっていると思います。