好きだった相手に好意を持たれると、逆に嫌悪感を生じてしまう現象のことを指す。
2004年に跡見学園女子大学教授の藤澤伸介氏が心理学の論文でこの現象を分析し、「蛙化(かえるか)現象」と命名したことからくる。『グリム童話』にあるお姫様が蛙と一夜を共にすると、蛙が王子様に変身する「かえるの王子様」が由来。ただし、この現象は「かえるの王子様」のエピソードとは逆に、王子様が蛙になり失望したことを指す。
2019年頃から、インターネット上で、この現象を解説する記事や動画が出始め、若年層を中心にこの言葉が使われるようになった。
例として好きな相手が「フードコートで席を探してウロウロする姿を見て〝蛙化〟」「ICカードの残高不足で改札を出られない姿を見て〝蛙化〟」など主に恋愛感情が冷める〝あるある〟を紹介する言葉として使われている。
2020年には、蛙化現象に悩む女子高生を主人公とした漫画『カエルになった王子様』(我楽谷 講談社)が発売された。またTicTokや、YouTubeで弾き語り動画をアップして人気となっていたシンガーソングライターのりりあ。が「蛙化現象に悩んでる女の子の話。」という楽曲でメジャーデビューした。この楽曲はりりあ。がSNSでファンに「どんな曲を聴きたいか?」を募ったところ、「蛙化現象」をテーマにして欲しいとの声が多かったことから生まれた。
2023年6月に、Z世代(1995年以降生まれの若年層)を研究するシンクタンク組織「Z総研」が中学生から26歳までの950人を対象に調査した流行語の1位(2023年上半期)は「蛙化現象」であった。
「蛙化現象」から派生した言葉に「蛇化現象」がある。こちらは好意を持った相手のすべてが愛おしくなる感情を指す。好きな相手がどれだけカッコ悪いことをしても、〝蛇が何でも丸呑みするように〟受け入れることからくると言われる。