オンライン上で開かれる仮想のカジノ(賭博場)のこと。利用者はパソコンやスマートフォンからインターネット上のサイトにアクセスして、現金や電子マネーを使って参加する。スロットやカードゲームなどのいわゆる「カジノ」のようなものだけでなく、スマートフォン用のパズルゲームや、格闘技・プロスポーツの勝敗に賭けるものも含まれる。
サイトの多くは海外で合法的に運営許可を得たものだが、日本からアクセスしてお金を賭けると刑法の賭博罪に当たる。広告などで勧誘したり、賭け金などの入手金の決済に関与したりすることも賭博ほう助罪に問われる。2023年には、オンラインカジノの利用や決済に関わった、またはオンラインカジノを広告・宣伝したとして、107人が検挙されている。
最近は日本人利用者を見込んだ日本語表記の海外サイトも多くあり、日本から参加した利用者が検挙される事例が多く確認される。またスポーツ界や、芸能界で活躍する著名人らの利用も発覚し、活動を自粛するなど大きな社会問題となっている。
警察庁は、オンラインカジノは深刻なギャンブル依存に陥るなどのリスクが大きいとして、対策の強化の必要性から実態調査を行った。(警察庁から委託を受けた民間のリサーチ会社が、15歳から79歳までの2万7145人を対象に、2024年7月~2025年1月までWEBアンケートで集計したもの)
2025年3月に発表されたその調査結果によると、違法なオンラインカジノの経験者は国内で約337万人、年間の賭け金総額は約1兆2400億円に上ると推計された。
これらを踏まえて、政府は、2025年3月、オンラインカジノの違法利用の対応を盛り込んだ「ギャンブル等依存症対策推進基本計画」を閣議決定した。基本計画は3年ごとに改定されているが、オンラインカジノに関する具体的な対策を打ち出したのは今回が初めてとなった。改定はオンラインカジノでお金を賭けた利用者だけでなく、運営に関与する業者の摘発、YouTube やInstagramなどの交流サイト(SNS)事業者らによる広告表示や紹介サイトの開設の禁止。また、多くの利用者がクレジットカードにより掛け金を決済しているため、各クレジットカード会社に、違法な決済に使われないよう注意喚起を要請することなどを盛り込んだ。
さらに、6月には「改正ギャンブル依存症対策基本法」が成立。オンラインカジノに誘導する紹介サイトやSNSなどの規制を強化した。