地震や津波などの災害において、直接的な原因ではなく、それに関連する間接的な原因で被災者が亡くなること。地震の場合は震災関連死とも言う。災害によるショックや負傷の悪化、過酷な避難生活による肉体的・精神的疲労の蓄積、環境の悪化などによって引き起こされる。その大半は70歳以上の高齢者で、死因は肺炎や気管支炎などの呼吸器疾患、心筋梗塞や狭心症などの循環器系疾患が多い。避難生活などによって精神的に追い詰められた末の自殺も含まれる。
1995年の阪神淡路大震災では、兵庫県の死者数6402人のうち約14.3%に当たる919人が災害関連死であった。2011年の東日本大震災では死者数2万2215人のうち約17.1%に当たる3792人(福島県2335人、宮城県931人、岩手県470人、茨城県42人など)が、2016年の熊本地震では死者270人の約81%に当たる220人が、それぞれ災害関連死であった。
災害関連死を防ぐには、医療体制の充実や避難所での居住環境の整備に加え、ホテル・旅館や民間賃貸住宅、仮設住宅への迅速な2次避難が必要である。
災害関連死に該当するかどうかの判断は、遺族の申し立てを受けて、各市町村が設置する審査会で行われる。認定されれば、「災害弔慰金の支給等に関する法律」に基づき、弔慰金が支給される。金額は、1人当たり500万円を上限に、遺族の生計維持などの状況などを勘案して決められる。