文学フリーマーケットの略称。マンガ同人誌の展示即売会であるコミックマーケット(通称・コミケ。ともに有限会社コミケットの登録商標)を参考に、評論家・大塚英志らの呼びかけで2002年から始まった文学作品展示即売会のこと。
作り手が自ら小説、短歌、俳句、詩、評論、エッセイ、ZINE(ジン)など、作品のジャンルを問わず販売できる。文学フリマの公式サイトには「作り手が『自らが〈文学〉と信じるもの』を自らの手で作品を販売する」と記されている。
同人誌に限らず商業誌の販売も認められており、プロ・アマチュア、営利・非営利、個人・団体・会社等を問わず、出店ができる。年代も10代から90代まで幅広い層が参加している。
当初は東京での開催が主だったが、2025年現在、札幌、岩手、東京、京都、大阪、香川、広島、福岡の8都市で、年9回開催されている(東京は年に2回開催)。
第1回には約1000人であった出店・一般来場者数は、2024年12月の東京ビッグサイトで開催された「文学フリマ東京39」では、過去最高の14967人(出店者:4026人、一般来場者: 10941人)を記録した。
また、作家のこだまが2014年の文学フリマで販売した同人誌内の小説「夫のちんぽが入らない」に加筆修正をし、2017年に同作で商業デビューするなど、単に作り手が創作物を売る場というだけでなく、出版社が新たな才能を発掘する場ともなっている。2022年には、文学フリマに参加していた小説家の高瀬隼子が芥川賞を受賞した。近年はプロの小説家が、文学フリマで作品を初売りするケースもあるなど多様化が進む。2024年5月の「文学フリマ東京38」では文藝春秋社が発行する文芸誌「文學界」が出店したことでも話題となった。
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