原油を精製して造られる石油製品の一つ。これをさらに精製するとガソリンになるため、粗製ガソリンとも呼ばれる。見た目はガソリンと同様、透明な液体である。ナフサに熱を加えて分解することで、エチレンやプロピレンといった石油化学基礎製品が生成される。そこからさらに、プラスチックや合成繊維、塗料などの原料となる石油化学誘導品が生産され、様々な製品に加工されることになる。家電製品から自動車、衣料や建築素材に至るまで、様々な分野で使用されている。
経済産業省によれば、日本におけるナフサの調達先は、アラブ首長国連邦やクウェートなどの中東が4割、国産が4割、その他の地域が2割という内訳になっている。国産に分類されているナフサも、精製したのは日本であっても元となる原油のほとんどは中東産である。
2026年2月のアメリカとイスラエルのイラン攻撃から始まった中東地域の混乱の影響で、中東からのナフサの輸入が難しくなり、様々な分野の生産や流通に影響が広がっている。財務省が発表した3月の貿易統計によると、中東からのナフサの輸入は前年3月より約4割減少した。
2026年5月下旬現在、こうした情勢を受けて、以下の商品で値上げや品薄、生産停止などの影響が出ていることが報じられている。食品容器、包装材に印字するインク、自動車修理などに使われるシンナーや防水用塗料、医療用ゴム手袋、自動車部品のプラスチック部分、コーヒーフィルター、住宅の断熱材、ゴミ袋、水道水の消毒に使う薬品、ブルーシート、時計修理などに使う洗浄剤のベンジン、スポーツウェアや作業服に使うポリエステル繊維製品。農家のビニールハウス用のビニール。業種によっては小規模業者の倒産に至る可能性も指摘されている。
日本政府は、在庫や中東以外からの調達によって半年分以上は確保されているとする一方で、供給の偏りや流通の目詰まりが起きていると説明している。