ほとんどの人は、電気のない生活を考えることすらないんだと思います。でも、いまサラリーマンとしてあくせく働くよりも、電気を使わないようなゆったりとした生活様式のほうが、楽かもしれないという気がします。
三浦 さらに、そこには「自分でやる」という楽しみも加わりますからね。僕も薪ストーブが好きなんです。薪で火を焚いて、手をかざしてると幸せみたいなものが加わる。エアコンよりも暖かくなるまでに時間はかかるかもしれないけど、それが物事を考える時間になるんですよね。
木村 手間をかける中にこそ、本当は楽しみを見出せるんじゃないかと。
三浦 でも、木村さんは脱電気に近い生活をしていながら、コンビニには行っちゃうんですよね。そういうところは、とてもいいなと思います。
木村 もともと、ものぐさなので……(笑)。でも、そんなものですよ。自分のできることしかできないので、無理はせずにやっています。いまの電気に頼りすぎている生活のバランスを見直しながら、昔の不便な生活ともまた違う、新しい生活様式をつくっていきたいです。そうした生活に楽しさを感じてもらえるようにしながら、この土地で起きたことを次の世代に伝えていきたいと思っています。
第一章に木村さんが登場する書籍『白い土地 ルポ 福島「帰還困難区域」とその周辺』(集英社クリエイティブ) 特設サイトはこちら