〈注意点〉
・セックスの途中からではなく、最初から(挿入前、性器の粘膜や皮膚が相手の粘膜などに触れる前)装着する。
・使い慣れていないと失敗につながることがあるので、初めてのセックスでいきなり使うのではなく、事前に一人で練習しておくとよい。
・財布やポーチなどに入れると劣化・破損の原因になるので、アルミケースなどのハードケースで保管する。高温多湿、直射日光が当たる場所での保管も劣化の原因に。
・使用時、油性のローションやハンドクリームに触れると劣化・破損の原因になる。
・使用期限内のものを使う。
・破れやすくなるので、二枚重ねで使わない。
・開封時や装着時に爪などで傷つけないようにする。
・再使用しない。
低用量ピル
〈避妊の仕組み〉
ピルに含まれている女性ホルモン(エストロゲン=卵胞ホルモン、プロゲステロン=黄体ホルモン)の働きで排卵をストップさせる。日本ではOC(Oral Contraceptives 経口避妊薬。避妊目的、自費)とLEP(Low dose Estrogen Progestin 低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤。治療目的、保険適応)の区別がある。LEP製剤にもOCと同様に避妊効果があり、海外では避妊薬として使用されている(ただし、「ルナベルULD」「フリウェルULD」については避妊効果の検証はされていない。※緑色の文字は登録商標、以下同)。
また、日本では混合ピル(エストロゲン・プロゲステロンの合剤)のみが認可されており、ミニピル(POP:Progesterone Only Pill。プロゲステロン単剤のピルで、血栓症リスクが高い人でも使用しやすい)は未承認。日本で認可されているプロゲステロン単剤には「ノアルテン」と「ディナゲスト」などがあるが、ホルモン含量が多いため厳密にはミニピルに分類されない。
〈入手方法〉
医師の処方箋が必要で、婦人科(産婦人科)など病院・クリニックを受診する。オンライン診療に対応している病院もある。
〈費用〉
◆OC(避妊目的):自由診療(自費)で1シート約2000円~3000円
◆LEP(治療目的):保険適用で3割負担の場合、1シート約700円~2500円
これに診察料や調剤料などが加わる。先発薬か後発薬(ジェネリック)によっても費用が異なる。自由診療の場合は医療機関ごとに自由に設定される。
〈注意点〉
・毎日決まった時間に飲む。
・飲み忘れがあると不正出血を生じたり、避妊効果が減弱したりする。
・米国食品医薬品局の調査によると、女性1万人あたりの血栓発生リスクは、ピルを服用していない場合は年間1〜5人であるのに対し、ピルを服用中ならば年間3〜9人となる。ちなみに、妊婦の血栓発生リスクは年間5〜20人。ピル服用による血栓発生リスクはこれよりも低いが、喫煙中、肥満、40歳以上など血栓症のリスクが高い女性のピル服用については医師と相談を。
・飲み始めて2〜3カ月はマイナートラブルと呼ばれる、吐き気、頭痛、めまい、乳房の張り、むくみなどを感じることがあるが、服用を続けるうちにおさまっていくことも多い。
〈ピルの特徴〉
ピルには「休薬期間の錠剤の有無」や「1錠ごとのホルモン含有量」など様々な特徴があり、「OC・21錠タイプ・第三世代・一相性」など、さまざまな種類がある。自分と相性の良いピルを探すことで、服用を続けやすくなる。ピルの特徴は以下のように分類される。
【休薬期間の錠剤の有無】
◆21錠タイプ:21日実薬を飲んで7日休薬する。
◆28錠タイプ:21日実薬を飲んで7日偽薬(有効成分が含まれていない飲み忘れ防止のための錠剤)を飲む。
ピルは1周期(1シート)28日が基本。24錠実薬を飲んで4錠偽薬を飲むタイプや、休薬期間がないタイプもある。
【1錠ごとのホルモン含有量】
◆一相性:1錠ごとのエストロゲン、プロゲステロン含有量がすべて同じ。飲み忘れや月経移動の際の対応がしやすい。
◆三相性:1錠ごとのエストロゲン、プロゲステロン含有量が3段階(6日間、5日間、10日間など)で異なる。