自然なホルモン動態に似せて生理的と言われてきたが、一相性と比べて特に効果は変わらないとされる。
【エストロゲン含有量】
◆低用量ピル:30〜50μg(マイクログラム。1μg=100万分の1g)。
◆超低用量ピル:30μg以下。吐き気などエストロゲンによる副作用は少ないといわれている。
【含まれているプロゲステロンの種類】
◆第一世代:ノルエチステロン(NET)
◆第二世代:レボノルゲストレル(LNG)
◆第三世代:デソゲストレル(DSG)
◆第四世代:ドロスピレノン(DRSP)
開発の順番により、4つの世代区分がある。新しい世代になるにつれて、プロゲステロンの副作用(むくみ、吐き気)は少ないといわれているが不正出血の頻度は増えるなど、世代によって違いがあるので、3カ月以上使用しても吐き気、頭痛、むくみ、不正出血などのマイナートラブルが改善しない場合は、異なる世代のピルに変えると症状が落ち着くことがある。
なお、血栓症のリスクは、第一世代、第二世代よりも第三世代、第四世代の方が少し高くなる。
【消退出血を毎月起こすか、起こさないか】
◆周期投与:毎月休薬期間をとって、消退出血を起こす。(出血の量は少なくなったり、ほとんど出なくなったりする人もいる)
◆連続投与:毎月の休薬期間をとらない方法。例えば120日間飲み続け、年3回だけ休薬期間をとり、そこで消退出血を起こす。
「通常、排卵が起きるとエストロゲンとプロゲステロンが上昇し、妊娠しなければそれらが低下し月経が起きます。このようなエストロゲンとプロゲステロン低下による出血を消退出血と呼びます。ピルはエストロゲンとプロゲステロンの配合薬であり、休薬するとそれらが低下し、消退出血が起きます。医学的には、ピル内服中にあえて毎月出血を起こす必要性はありません。日本ではまだ周期投与が多いですが、海外では連続投与が主流です」(遠見先生)
●主なピルと特徴
IUD(IntraUterine Device 子宮内避妊用具)
〈避妊の仕組み〉
子宮内にポリエチレンなどでできた器具を装着し、受精卵が子宮内膜に着床することを妨げる。一度装着すると約3~5年にわたって、避妊効果が持続する。銅付加IUDの場合は、精子の運動性や精子と卵子の受精を妨げる効果もあり、性交後120時間(5日以内)であれば緊急避妊用にも使用することができる。
〈注意点・副作用〉
・子宮内に挿入するときや装着後、痛みを感じることもある。痛みの感じ方は個人差が大きい。挿入30分~1時間前に鎮痛薬を服用したり、挿入時に局所麻酔を行ったりする医療機関もある。
・出血、感染、穿孔の有害事象、また自然脱落が起こり得る。
〈費用〉
自由診療で約2~5万円。緊急避妊の場合も自由診療になり、基本的に避妊目的と同じ費用かさらに高額になる可能性もある。
〈入手方法〉
婦人科(産婦人科)を受診し、内診台でIUD挿入を行う。挿入前後に経腟エコーで位置を確認する。IUD挿入後、問題なく装着できているか、定期的(3カ月、6カ月、1年毎など)に婦人科(産婦人科)でチェックを。
IUS(Intra Uterine System子宮内黄体ホルモン放出システム。日本では「ミレーナ」が認可されている)
〈避妊の仕組み〉