保険適用から外れる44歳以上で治療を始める方の場合、1年、2年と治療を続けて結果が出なかったら、その後、出産に至る確率が上がるかと言えば、非常に難しいです。46歳を超えると、卵子の数やホルモン値など、妊娠のしやすさを示す数値はさらに厳しいものになり、妊娠に至ってもほぼ100%流産してしまうのが実情です。医師としてそうした事実はお話ししますが、そこから先の区切りの付け方は人それぞれの考え方になると思います。
最近は、「この年齢だから、もう難しいかもしれない」とどこかで思いながら、治療に臨む方も多くなってきました。その意味では「やはりダメだった」とあきらめやすくなってきているのかもしれません。それでも、結果が出なかったときのどうしようもない寂しさや虚しさは変わらないように思います。夫婦で一緒に不妊治療に取り組むケースが増えていますが、パートナーと困難を分け合い、支え合うことで、そうしたつらさを乗り越えていけるところもあるのではないかと思います。