洗うときは、耳たぶや耳の裏を洗うのと同じように、ひだのところに指先を沿わせて溜まった垢をきれいにします。腟の中は自浄作用がありますから、洗う必要はありません。大陰唇の表面(陰毛が生えている部分)は皮膚なのでからだを洗う感覚でいいのですが、大陰唇の内側と小陰唇は粘膜ですから口の中を洗うのと同じで、あまり強い力でゴシゴシ洗うと痛みが生じたり、傷ができたりします。ただ、これも口の中と同じで、修復能力が高い場所ですから、ちょっと傷ができてもすぐ治ってしまいます。一般的なボディソープだと刺激が強いこともあるので、お湯で洗うか、使いたい人は市販の専用洗浄剤を使ってもいいと思います。
更年期で粘膜が潤い不足になっているとき、外から保湿剤などを塗って潤いを与えるのもいいですが、そもそも分泌腺は使わなければ萎縮してしまうので、もし嫌でなければ、まずは分泌腺を活かすようなメンテナンスをすることをおすすめしたいと思います。セックスやセルフプレジャーなど、廃用萎縮を避けるには月2回程度以上の行為が望ましいでしょう。個人差はありますが、メンテナンスをしている人は70代でも潤っていますし、そうでない人は若くても乾燥しています。
VIOゾーン(いわゆるデリケートゾーン。恥丘、外陰部、肛門周辺のこと)の脱毛は今、やっている人が多いですね。体毛はからだを守るシステムのひとつで、以前は陰毛があることで摩擦しにくくなり、外性器を守ると言われていましたが、これだけ脱毛している人が多いのですから、陰毛がなくても別に不都合はないということでしょう。
医師としては、脱毛した方がいいというものでもありませんし、しなければしないでもいい、したければすればいい、というものだと思います。ただ、「パートナーに言われたから」という理由で脱毛するのではなく、あくまで自分がどうしたいかで決めてほしいですね。
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