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性を知る手始めは、生殖器についての知識から。とても大切な場所であるにもかかわらず、それぞれのはたらきや位置など「実はよく知らない」という人も多いかもしれない。ちなみに、生殖器やそのしくみについては日本では高校の保健の授業で学習する。
以下は女性の生殖器を図にしたものだが、あなたはどこまで知っているだろうか。(監修・西弥生医師〈産婦人科専門医。桜の芽クリニック院長〉)
①子宮
平滑筋という筋肉でできており、内部は空洞になっている。洋梨を逆さにしたような形で大きさはにわとりの卵ぐらい。上の3分の2を子宮体部(しきゅうていぶ)、下の3分の1を子宮頸部(しきゅうけいぶ)、子宮の開口部を子宮口(しきゅうこう)と呼ぶ。子宮体部は子宮頸部を通じて腟とつながり、上部は卵管に通じる。受精卵が着床して胎児を育む場所となり、胎児の発育に応じてふくらむ。子宮頸部の内側を覆う子宮頸管粘膜は細菌の侵入や繁殖を防ぐため酸性に保たれているが、排卵期は精子が通過しやすいよう、アルカリ性の子宮頸管粘液が放出される。
②卵巣
子宮の両側にある、女性の健康に大きな影響を持つ器官。靭帯で子宮とつながり、外側は卵管と接している。楕円形で、生殖期は長径約3センチメートル超のそらまめ大、閉経後はアーモンドぐらいの大きさになる。女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌し、卵子の成熟・排卵を行う。生まれたばかりの女児の卵巣には、卵子の元となる一生分の原始卵胞が約200万個存在しているが、成長と共に数は減少する。一生で排卵されるのは400~500個で、50歳ごろに卵子のストックは枯渇し、閉経を迎える。
③卵管
長さ約10センチメートル、内径1ミリメートル未満の細い管。卵巣から排卵された卵子は、卵管の筋運動と繊毛運動により5~7日かけて子宮に運ばれる。
④卵管采(らんかんさい)
卵管の先端にあり、漏斗状の形で、内腔はイソギンチャクのようなひだ状の粘膜に覆われている。卵管采と卵巣は接しているが、直接はつながっておらず、卵巣から排卵された卵子を卵管采が吸い上げ、吸い上げられた卵子が卵管膨大部で精子と出合い、合体すれば受精卵となる。
⑤腟(ちつ)
子宮と外陰部をつなぐ約7~10センチメートルの筒状の器官。出口である腟口(ちつこう)は尿道と肛門の間に位置する。腟は月経血や分泌物が排泄され、出産のときには胎児が通過する場所であり、性交時にはペニスを受け入れる。筋肉でできており、伸縮する。腟内は常在菌によって酸性に保たれ、細菌の侵入・増殖を防ぐ自浄作用がある。
⑥外陰部(外性器)
生殖器のうち、体の外に出ている部分。