この日はColaboとつながる高校生たちも、物品販売などの手伝いをしてくれた。私も日々、中高生たちにいろいろな場面で助けられている。ご飯を一緒に作って食べた後、皿洗いを率先してやってくれたり、サポーター会員の方に資料を送る手伝いもしてくれる。封筒に資料を詰める作業では、封の仕方で「ほんと雑!」と私のほうが怒られたりするくらい。
初めて来た人が入りやすい雰囲気をつくってくれるのも、中高生の彼女たちであり、私もみんなの力を借りながら活動している。
戻ってこられる場所の大切さ
対談の最後に、幸重さんは「子どもたちには『いろんな人に頼っていいんだよ』『ぼちぼちやっていったらいいよ』『失敗したらまた戻って来たらいいよ』ということを彼らとの関わりを通して伝えたい。10年後、関わった子どもたちが自分の子どもを連れてきたり、戻ってこられる場所でありたい」と話していた。
Colaboでは中高生がトラブルを起こしたり、問題を抱えていてそれがいざこざになったりすることや、しばらく顔を見せなくなることがある。「今は関わりたくないな」「距離を置きたいな」と思う時期がそれぞれにあるのも、おかしいことではないと思う。しかしColaboも、関わる中高生にとって、うまくいかない時も、つらい時も、嬉しい時も、大人になってもいつでも戻ってこられる場所でありたいし、そのための場所や関係性づくり、声かけを大切にして行きたいと思った。
読者の皆さんにも「戻ってこられる場所」はあるだろうか。そこはあなたにとってどんな場所だろうか。そんな場所や関係性が地域の中に増えて行くことが、貧困を背負って生きる子どもたちだけでなく、すべての子どもたちが安心して育つ社会づくりにつながるのではないかと思った。
合宿に参加した高校生の一人が、帰ってからこんなメールをくれた。
「今までは、自分の過去なんてみっともなくて誰にも話せないとか思ってたけど、悩んでいる人に過去を伝えて、その人たちに『こういうことで悩んでるのは自分だけじゃないんだ』って思ってもらえて、離れている人とも悩みを共有して、負担を減らしてあげたいなとか思いました。私も大人になったら、貧困で悩んでいる家庭とか子どもたちを救うことはできないかもしれないけど、自分が今支えてもらってるみたいに、話を聞いたりご飯を一緒に食べたり、日常生活を共に過ごしてたくさんのことを教えてあげたいなって思いました。自分がされて嬉しかったことを自分より下の年齢の子たちにしてあげたいし、一人でも多くの子の悲しい顔じゃなくて嬉しい、笑った顔を見たいです。今回の合宿ではたくさん学べたし、思い出つくれたからよかったです! これからも自分の知らないことまだあるから、学び続けたいって思います」