こんにちは。女子高生サポートセンターColabo(コラボ)の代表をつとめる、仁藤夢乃(にとうゆめの)です。 私は居場所がない、周囲の人と関係性が保てない10代の女の子たちの相談にのり、彼女たちが頑張れるように応援や支援する活動をしています。今月から「今、中高生の女の子たちに伝えたいこと」をエッセーにした新連載が始まりました!
これから、中高生に知ってもらいたい性のこと、社会問題のこと、Colaboの活動についてや、少女たちが大人に伝えたい思いなどを掲載していきます。
難民高校生だった高校時代
高校時代、私は月に25日を渋谷で過ごす「難民高校生」でした。家族との仲は悪く、教員ともうまくいかず、街をさまよっていた私は当時、自分にはどこにも「居場所がない」と思っていました。街には、同じように「居場所がない」と集まっている友人がたくさんいました。私は、家庭や学校、他のどこにも居場所がないと感じている高校生を難民高校生と呼んでいます。
家庭と学校の往復を生活の軸にしている中高生は、限られた人間関係しか持っておらず、それらが何らかのきっかけで崩れると、すぐに孤立してしまいます。難民高校生には、誰でもなる可能性があるのです。
街で出会う友人たちとは、うわべの付き合いをしていました。家族や学校への不満や不安を口にすることはありましたが、本当に困っていることについては、お互いに話しませんでした。今思えば、それぞれが抱えていた問題は、子どもたちだけではどうにもならないようなものばかりでした。だから、話しても意味がないと思っていたのかもしれません。そんな私たちに声をかけてくれる大人や、信頼できる大人はいませんでした。
苦しい今日をどう生き抜けばいいのか、明日も生きていられるのか、自分は生きていたいのかすらわからない状況で、不安でいっぱいでした。けれど、素直になれる場所はなく、タバコやお酒を手に、荒れた生活を送るようになりました。
そうした少年少女が、見守る大人のいない状態で生活するようになると、危険に取り込まれやすくなります。声をかけてくるのは児童買春の斡旋(あっせん)者や、心身ともにリスクの高いところで子どもたちを搾取する違法の仕事を紹介する人、体目的で近づいてくる人ばかりでした。性暴力、望まない妊娠や中絶など、目をつぶりたくなるような現実をたくさん目にしてきました。10代で自殺した友人も、3人います。
そんな経験から、すべての少女が「衣食住」と「関係性」を持ち、困難を抱える少女が暴力を受けたり、搾取に行き着かなくてよい社会を目指して活動しています。私は高校を2年生の夏に中退し、その後、ありのままの私に向き合ってくれる大人との出会いがあって前を向くことができ、今を生きています。
中高生の時、「大人はわかってくれない」と思っていました。そんな想いを抱いている人はぜひ、弱い立場にある人の、声にならない声を聴き、想いや背景を想像できる人になって欲しいと願っています。
今も、安心して眠ったり過ごしたりできる家や、帰りたいと思える家がなかったり、誰かと食卓を囲む機会や、困った時に頼れる大人との関係を持たない女の子たちと日々出会っています。もちろん、同じような状況にある少年と出会うこともあります。そんな少年少女に必要なのは、特別な支援ではなく「当たり前の日常」だと思っています。
この連載では、中高生に一緒に考えてもらいたいことや、日々の活動についてお伝えするほか、全国から寄せられた中高生の女の子たちの声を伝えるコーナーも設けました。こんなことについて知りたい、こんなテーマの記事を読みたい、大人に伝えたいことがある! という10代の女の子がいたらぜひ、Colaboのホームページから声を聞かせてください♪
私は、女の子たちの伴走者となり、共に考え、泣き、笑い、怒り、歩む力となりたいと考えています。この連載も、みなさんと一緒に作っていきたいです。これからよろしくお願いします!
女子高生サポートセンターColabo
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