即座に辞任しなければ、さらに攻撃をエスカレートさせる」というものであった。この事件の実行犯も自己決定党の支持者と言われている。
16年10月、アルバニアナショナリズムを隠そうとしない自己決定党のビザール・イメリ党首にインタビューを敢行するとこんな言葉が返ってきた。
「コソボ憲法はヨーロッパに押し付けられたものだ。コソボがアルバニア人の国としてアルバニアと合併することで周辺も安定するのだ」
現実問題として、国境の変更は周辺諸国のみならずアメリカも認めないであろう。この主張が続けられればコソボの国連加盟もEU加盟も遠のくのは明らかである。しかし、建国時にKLAの過激主義が奏功したことから、コソボには民主的なプロセスが根付く以前に、このようなラディカルな言動が称賛される気風がある。前述のドローン事件は最たるもので、没収試合に至らしめたあの首謀者を責めるどころか英雄視している現状がある。
国際社会があまりに拙速にコソボの独立を承認してしまったことで、大アルバニア主義の火種が激しくくすぶり続ける。それによって、国旗に記されたうちの五つの星に象徴される他のマイノリティたちの存在が無視され始めている。