ピエリアンアウンはY.S.C.C.横浜での練習に参加する。機会を与えた吉野は言う。
「まずは母国でもリーグ戦が中断している選手に、サッカーをする環境を提供したということです。うちのチームに所属してもらうかは、彼のサッカー選手としてのプレーを見てからです。プロとしてリスペクトすればこそ、評価基準はそれ以上でも以下でもありません」
ピエリアンアウンもまたそれを望む。
「Y.S.C.C.横浜の試合をインターネットで見ました。とても選手の質が高くて、正直、ミャンマー代表がこのチームと試合をすると負けると思いました。でもだからこそ、私は挑戦したいのです」
Jリーガーになる。ストイックな生活をまた自らに課す覚悟を口にした。それはいつか、帰国が叶う日まで続く。
*2021年7月3日、NGO「日本ビルマ救援センター(BRCJ)」は、「ピエリアンアウン選手を支援する会」を発足しました。