日本で一番高い山、富士山。四季折々に見せる姿の美しさも、昔から愛されてきた魅力だ。その魅力にちなんで、北海道から沖縄まで、それぞれの郷土に、「富士」の名を冠した山がたくさんある。日本列島、津々浦々の、「ふるさと富士」をご紹介しよう。( )内は正式名称。(2007年 イミダス編集部 編)
黒富士
山梨県。高さ1635m。甲府盆地の北にある特別名勝地、御岳昇仙峡の奥に位置する山。東の山すそには、規則的な割れ目が美しい燕岩(つばくろいわ)岩脈が露出し、天然記念物に指定されている。昔、峠越えをする人が、本物の富士が明るく見えたのに対して、逆光の中に富士と同じような山が黒く見えたことから、「黒富士」と呼ばれるようになったといわれる。夕暮れの姿は富士山にうりふたつで、「夕もや富士」とも呼ばれる。
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下田富士(一岩山)
静岡県。高さ191m。伊豆半島南端の港町、下田市街にある、円錐形の緑の小山。民話によれば、下田富士と駿河の富士は姉妹だったが、妹の駿河の富士がその美しさをほめたたえられるのに対して、岩山の下田富士はだれも振り向かなかった。そのため、妹の姿を見ないために、びょうぶとして天城山を立てたという。本郷にあることから、本郷富士とも呼ばれる。
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