蛙鳴蝉噪
(あめいせんそう)
蛙(かえる)や蝉(せみ)がやかましく鳴き立てていること。転じて、大げさで内容のない文章や、うるさいだけで実りのない議論のことをいう。「噪」は、やかましい、さわがしいという意味。
『儲欣(ちょきん)―平淮西碑・唐宋八家文評』に、「段文昌以二駢四儷六、蛙鳴蝉噪之音一、易二鈞天之奏一、直不レ知三人間有二羞恥事一」と記されている。儲欣は、清代、宜興の人で、字(あざな)は同人。
〔例〕むだな議論や下手な文章などをあざけっていうときに、「今までの企画会議は、現実的な話が少しも出なくて、貴重な時間がむだづかいでしかなく、まったく蛙鳴蝉噪を地で行っているようなありさまだ」といったり、「彼の論文は、タイトルはいつも斬新なのだが、中味は蛙鳴蝉噪でつまらない。本気で相手にする研究者はほとんどいません」などと使ったりする。
〔類〕蛙鳴雀噪(あめいじゃくそう)、蝉噪蛙鳴(せんそうあめい)
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けい蛄は春秋を知らず
(けいこはしゅんじゅうをしらず)
(「けい蛄」はつくつくぼうしのこと。夏の期間だけに限られた命の短い蝉(せみ)は春も秋も知らないから) 短命なこと、あるいは世間知らずなことをいう。
〔出〕荘子(そうじ)
〔会〕「総務の彼、どうして口の利き方も知らないんだ」「親にちやほやされて育ったらしくてね。けい蛄(けいこ)は春秋を知らずさ」
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蚊の涙
(かのなみだ)
分量のきわめて少ないことのたとえ。「蚊の涙ほどのお金でも、今のわたしにとっては大助かりだ」
〔類〕雀の涙
〔語源〕昆虫の中でもとくに小さい蚊の涙は、きわめて少量であろうという想像から。
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