アロマテラピー(芳香療法。フランスの化学者ガテフォセーが1928年に出版した本で初めて用いた)は、植物から抽出した精油(エッセンシャルオイル)とよぶ高濃度の香りのエキスを、嗅覚をとおし、また肌から吸収させて行う健康法。ヨーロッパでは民間療法として長い歴史がある。(「イミダス1998年版」掲載)
精油(エッセンシャルオイル)
香りのよい植物や薬草の花、果実、葉、木質部、樹脂などから水蒸気蒸留法、圧搾法(主にカンキツ類)、ヘキサンやアルコールでの溶剤抽出法で抽出した、液状の香りのエッセンス。植物に含まれる多くの成分が、微量なものにいたるまでそのまま濃縮され、抽出されている。疎水性で揮発性、光に分解されやすい性質をもつ。
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精油の使い方1 芳香浴(ルームフレグランス)
香りランプやポマンダー・ストーンなどのインテリア小物を使って室内で香らせたり、芳香スプレーでまく。
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精油の使い方2 吸入
タオルやティッシュ、アクセサリーなどにたらして、身近に、また電車内などの人込みでも手軽にできる。呼吸器の症状には洗面器に熱湯を入れ、精油をたらして香りの蒸気を吸入するとよい。
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精油の使い方3 アロマバス
浴槽に直接3、4滴たらし、よくかきまぜて入浴する。足浴・座浴・手浴などの部分浴にもよい。また、植物油や自然塩を基剤にして精油を混ぜ、入浴剤として使う。
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精油の使い方4 アロママッサージ
皮膚から精油を吸収させる方法。アーモンド油・ホホバ油などの植物油で薄め、目的に合わせてマッサージする。濃度の目安は精油が1~1.5%くらいの割合。
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精油の使い方5 美容法
シャンプー、パック、化粧水(芳香蒸留水)、ハンドクリームなどとして用いる。自然の基剤に、用途に合った精油を混ぜてオリジナルの化粧品を作る。
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精油の使い方6 フレグランス(天然香水)
ヘッド・ハート・ベースの各ノート(香りの保留剤)の精油を組み合わせて調香(ブレンド)し、アルコールで割って自分だけの香りを作る。精油の濃度は3~30%以内で。
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精油使用上の注意
まず、絶対に内服しないこと。また、ラベンダー、ティートリーを除いては、原液では使わず、必ず水や植物油で薄め、精油の濃度は1~1.5%にすること。同じ精油は2週間以上継続して使用しないこと。カンキツ類からの精油などは、肌につけてすぐに日光にあたると、シミの原因となるので、気をつける。さらに、病気治療中や投薬中、妊娠中の場合は十分に注意して使用すること。
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