寂滅為楽
(じゃくめついらく)
仏教の言葉で、煩悩を脱して悟りの境地に入ってはじめて真の安楽を感じることができるということ。「諸行無常、是生滅法、生滅滅己、寂滅為楽」という涅槃経四句偈(げ)にある最後の一句。「寂滅」は、迷いの世界を脱して得ることのできる無為、静寂の境地に入ること。また、その悟りの境地。
〔例〕「家がほしい。車がほしい。お金がほしいと、おまえはほんとうに煩悩の多いやつだ。寂滅為楽と考えれば、ずっと楽になるのに」とか、「思わぬ航空機事故で、妻と3人の子供を一時に亡くした彼は寂滅為楽、一切の家財をなげうって、仏道の世界に入った」などのように使ったりする。
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聖人に夢無し
(せいじんにゆめなし)
悟りの境地にある聖人は、妄想に煩わされることはなく、起きているときは心が平静であり、床についてからも安眠できることをいう。
〔類〕至人に夢無し
〔出〕荘子(そうじ)
〔会〕「ここんとこへんな夢ばかり見る」「聖人に夢無しというが、おまえ心に迷いがあるんじゃないか」「ああ。じつはな、妻が寝言で、おまえの名前を口にするんだ」
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象牙の塔
(ぞうげのとう)
(1)芸術至上主義の人々が静かに芸術を楽しむ静寂・孤高の境地・生活。「先生は象牙の塔にこもられて俗世間とは無縁の日々を送られている」 (2)学者が現実から逃避して観念的な態度で送る、閉鎖的な学究生活、またその研究室。「大学紛争は象牙の塔の閉鎖性を打破するところから始まった」
〔語源〕la tour d’ivoire(フランス)の訳語。フランスの批評家サント‐ブーブが詩人ビニーのあり方を評していった言葉。
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