曲突徙薪
(きょくとつししん)
まっすぐのよく燃える煙突のすぐそばに薪(たきぎ)を積んでいては、火事になる恐れが多大である。そこで、煙突を曲げ薪をかたわらに移して、火事になることを防ぐこと。転じて、災いが起こるのを未然に防ぐことのたとえ。「突」は煙突、「徙」は移すこと。
『漢書(かんじょ)―霍光伝』に、「曲突徙薪、亡二恩沢一、焦レ頭爛レ額為二上客一耶」とある。
〔例〕「貯水池に金網を張るのは曲突徒薪の親心です」といったり、「うちの子の担任は、すごい心配性なのよ。とがった鉛筆は危険だからキャップをつけろ、はさみは刃を丸くして切れなくしろですって。曲突徙薪もそこまでいくと行き過ぎだわね」などと使ったりする。
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近火で手を焙る
(ちかびでてをあぶる)
(近所の火事を、手焙りの火鉢(ひばち)の代用とするところから)安易に手近なものを利用することをいい、転じて、目先の利益のみを追いかけることをいう。
〔類〕近い所の手焙り
〔会〕「マイホームのために、こつこつためた貯金だけど……。もう、あきらめた。この前セールスに来た高級車でも買って、ぱっと使おうか」「そんな近火で手を焙(あぶ)るようなことはよしましょうよ。家を持つことは、私たちの夢なんだから」
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おじゃんになる
予定したことなどが実現しないで、途中でだめになる。物事が失敗に終わる。「せっかくの野外パーティーも、突然の激しい夕立でおじゃんさ」
〔語源〕江戸時代、半鐘を鳴らして火災を知らせたが、鎮火の合図には「しめり」といって2回ジャンジャンと鳴らした。その下略から生まれた言葉で、意味は「火事が終わった」から「火事ですべてがだめになってしまった」と転じて用いられるようになったものという。
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