拈華微笑
(ねんげみしょう)
言葉にしなくとも以心伝心で伝わることのたとえ。多くの弟子を前にして釈迦(しゃか)が説法をしたとき、黙って蓮(はす)の華(はな)をひねってみせたところ、迦葉(かしょう)という弟子だけが釈迦のいわんとするところが理解できたので、にっこりと笑ったという故事から。「拈華」は、華を拈(ひね)ること。
『五灯会元(ごとうえげん)―一』に、「世尊在二霊山会上一、拈レ華示レ衆。是時衆皆黙然、唯迦葉尊者破顔微笑。世尊云、吾有二正法眼蔵涅槃妙心実相無相微妙法門一。不立文字、教外別伝、付二嘱摩呵迦葉一」とある。
〔例〕「彼の奥さん、彼がゴホンとせきばらいをするだけで、もう新聞をもってきてくれるんだそうだ。拈華微笑の夫婦だね」などと使う。
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笑中に刀あり
(しょうちゅうにとうあり)
表面は穏やかそうな笑みを浮かべているが、内には邪心を秘め、陰険にも人を害しようと考えている人間をいう。中国の唐の時代、李義府(りぎふ)はうわべは温厚な人柄と見せながら、内心では人を陥れようとねらっていることを、世人に糾弾されたという故事による。
〔類〕笑みの中の刀/口に蜜あり腹に剣あり/笑中に刃(やいば)を研ぐ/笑いの中に刀を研ぐ/笑う者は測るべからず
〔出〕旧唐書(くとうじょ)
〔会〕「温厚な紳士だね、彼」「そう見えるだけ。業界では悪の申し子って呼ばれてる、笑中に刀ありの人なんだ」
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腹を捩る
(はらをよじる)
ひどくおかしくて(体を捩るようにして)大笑いをする。「母が久しぶりに腹を捩って笑う姿を見て、わたしは寄席に連れてきてよかったとしみじみ思った」
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