「優雅な」「魅惑的な」という意味を持つ“glamorous”と“camping”を合わせた造語で、テントや寝具、調理機器など、アイテムがほとんどそろった施設で行う優雅なキャンプのこと。知識や道具を持ち合わせていなくても手軽にアウトドア体験ができるとあって、人気が高まっている。
普通、キャンプと言えば自前のテントを組み立てて設営するところから始まり、寝具や調理機器などもすべて持参するものだが、グランピングでは何も準備しなくてよいのが大きなメリット。
またその多くは、自前ではなかなか持てないような海外製の大型テントが用意され、快適な睡眠を得られるエアベッドが採用されているので、一般的なキャンプとは別次元の世界を味わうことができる。ほとんどの施設でクーラーや暖房器具が用意されていて電源も使えるため、ホテルと大差なく過ごすことができ、アウトドアに慣れていない人でも不自由さをあまり感じない。
最近では、テント泊ではなくてロッジやコテージ、ホテルなどであっても、広いテラスやガーデンでたき火やバーベキューができることからグランピングをうたっている宿泊施設もあり、その定義はあいまいだが、“特別な準備なくアウトドアライフを楽しむことができる”という点ではすべての施設において一致している。
グランピング施設の特徴は、主に2つのパターンに分けることができる。
ひとつは自然の中にありながらもサービスはホテル並みで、室内でコース料理を味わえたり、露天のジャクジーやプールが利用できるなど、ラグジュアリーな非日常的空間でリラックスすることを目的としたもの。会員制だったり、ぜいたくな広さを貸し切りで利用できたりするなど、プライバシーが守られた中でも開放的に過ごせるよう考えられている施設もあり、子どもの宿泊を不可としている場合もある。
もうひとつは、キャンプ体験させることを目的としたもの。たき火やバーベキューなどでアウトドア料理を行うことができ、まき割りや火のおこし方をレクチャーしてもらえるなど、ネイチャーアクティビティが用意されていることも多い。
前者はカップルや女子会などで利用され、後者はグループやファミリーでの利用が目立つ。
コロナ禍でキャンプに注目が集まる中、アウトドアに精通した方でなくてもオープンエアな空間を満喫できるグランピングは、今後さらに人気が増していくだろう。