2024年1月1日16時10分に能登半島で起きた大地震。震源は石川県能登地方の深さ約 15キロメートルで、規模はマグニチュード7.6。石川県輪島市や志賀町で最大震度7を記録し、能登地方の広い範囲で震度6強や6弱の揺れとなった。政府の地震調査委員会による2月9日の報告によれば、地震の活動範囲は能登半島からその北東部の海域を中心に北東―南西に延びる150キロメートル程度。この地域では複数の活断層が確認されており、これが今回の地震に関連している可能性が高いという。
地震の直後、能登半島を中心に広い地域で津波が発生した。石川県珠洲市には約1分以内、同県七尾市で約2分以内、富山県富山市では5分以内に沿岸に到達していたとみられる。津波の高さは能登町の白丸で4.7メートル、珠洲市飯田港で4.3メートルに達した。同市では沿岸部の約10キロにわたって津波による浸水が起こり、沿岸から150メートル離れた住宅街にまで達した。また、輪島市西部では最大4メートルの隆起が発生した。この規模の隆起は「数千年に一度」とも言われる。
この地震により、石川県を中心に、富山県、新潟県で建物の倒壊や火災などの被害が起きた。2月28日時点の消防庁のまとめによれば、死者241人(すべて石川県内)、重傷者320人(うち石川県が312人)。住宅の被害は全壊が7642棟(うち石川県が7364、富山県が177、新潟県が101)、半壊が1万2528棟(うち石川県が9315、新潟県が2660、富山県が542、福井県が11)。輪島市の観光名所「輪島朝市通り」周辺では大規模な火災が発生し、断水によって消火が遅れる中、住宅など約240棟が焼失した。土砂災害や液状化現象も各地で起きている。
地震発生後、能登半島では少なくとも42路線の87カ所で道路が寸断され、救援体制に大きな支障が出た。また、X(旧ツイッター)をはじめ、デマや偽情報が拡散したことも被災地に混乱をもたらした。
1月25日に内閣府が発表した試算によれば、この地震による被害額は住宅など建築物を中心に約1.1兆~2.6兆円に上るとみられる。