発達した積乱雲がいくつも直線的に並んで、数時間あるいはそれ以上も同じ場所に停滞して大量の雨を降らせる雨域のこと。線状降水帯の大きさは幅が20~50キロメートルで長さは50~200キロメートル程度である。鬼怒川が氾濫して大きな被害を受けた平成27年9月関東・東北豪雨(2015年)をはじめとして、日本国内の集中豪雨の3分の2は線状降水帯によって発生している。線状降水帯はバックビルディングと呼ばれる現象により、既存の積乱雲の風上側に次々に新しい積乱雲が発生して形成されることが多い。線状降水帯は上空約3キロメートルの高さの湿った気流に沿って延びるが、たとえば上層で南風、地面近くの下層で南東の風といったように、上層に比べて下層の湿った気流の向きが反時計回りに変化しているときには大量の水蒸気が送り込まれて線状降水帯が発達しやすい。線状降水帯は低気圧や前線に伴って発生するほか、台風の中心から離れた周辺地域でも暖湿気流が流入することで発生する場合もある。
(2016.3)
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