私たちが歩いてきた道とはまた違った土壌を、次の世代が活躍し、彼らを応援してくれる人たちが興味を持ち、集まってくれるような下地を作っていかなければなりません。
その際に絶対に忘れてはいけないのが、応援してくれて、時には叱咤激励してくれるまわりの人々の顔です。プロゲーミングチームを新設する、ゲームの新リーグを発足させる、選手のスポンサーになるといった、形だけの“プロゲーマー作ります”的アクションは、今の国内シーンでも散見されます。お金持ちの企業やスポンサーなら、資金援助ぐらいたやすいでしょう。
しかし、その先にある「プロになった選手」がどの道を歩いて、その道は誰が作っていくの? という点を忘れてはならないと思います。私たちの足元には、格闘ゲームが大好きな人たちが長年かけて作ってきた道が既にあるのに、お金に物を言わせて「自分たちが主導権を握れる道」を新たに作りたがる人たちが増えてきているようにも思えます。
企業の活動としては肯定されるべきだし、当たり前とも思うのですが、何よりプロゲーマー、選手のことを考えてあげて欲しいなと私は思うのです。プロゲーマーは“ただスポンサーしただけ”では育ちません。彼らの強さは膨大な練習量から来るウデマエだけではありません。やはり「人」に支えられているんです。見えないけれど多くの人の思いや、道の上にそれはあるんです。
私にとってのゲームとは「人」であり、「人との出会い」です。だから私はこれからもゲームと人をつなぐため、次の世代につながる下地を作るために活動していきます。
それではまた次回。
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