日本のフェムテックの今後
ここ1~2年で「フェムテック」という言葉自体は浸透しつつあるが、今後、日本でフェムテックがさらに盛り上がるためには何が求められるのだろうか。
「ひとつには、日本独自のニーズを明らかにすることだと思います」とAminaさんは言う。「日本でフェムテック関連の起業を考えている方に話を聞くと、欧米の企業が出しているものを日本でもつくりたい、という話が多いんです。でも、たとえばセクシャルウェルネス(安全かつ喜びを伴う性体験を含む性の健康)という分野は、それぞれの国や地域によって捉え方が異なりますから、欧米型のセックストイを日本にただ紹介するだけでは、日本人女性のニーズに応えているとは言えない部分も出てくるでしょう。それよりは、どれだけ日本という国の文化に即したものをつくれるか、というところが鍵になると思っています」
そうした日本独自のフェムテックが登場するには、当の女性自身が自分たちのからだを見つめ直すことが必要になるだろう。生理用品ひとつ取っても、これまで当然と思ってきた不便さが新しい技術や発想によって変わっていく。きっとこれから、まだまだたくさんのニーズが発見されていくはずだ。フェムテックのイベントに参加してみたり、実際にフェムテックの商品を使ってみたりすることで、女性のからだをめぐるタブーがプラスに変わるきっかけが生まれていくかもしれない。
「ルナルナ」
2000年から開始した、女性の体調管理のためのデジタルサービス。現在はスマートフォン向けアプリを中心に提供されている。直近の月経開始日などを入力することで、排卵日や月経周期、妊娠しやすい(しにくい)時期などを予測することができる。無料から有料まで、需要にあわせてさまざまなプランがある。また、基礎体温を記録できる「ルナルナ 体温ノート」、妊娠・育児中の女性向けの「ルナルナ ベビー」といったアプリもある。