自然妊娠には1.5ミリリットル以上の精液が必要とされるので、男性にとっても加齢は不妊の原因になりうるということです。
精液がほとんど出てこない原因としてもうひとつ考えられるのは、精液が前立腺から膀胱内に逆流してしまう状態になっていることです。これを「逆行性射精障害」といいます。逆行性射精障害では射精した感覚はあるのに精液が非常に少量しか出なかったり、まったく出なくなったりします。また精子は尿に触れると機能が弱ってしまうので、そのこと自体が男性不妊の原因になります。
逆行性射精障害の多くは、糖尿病や手術などによる神経切断等によって起こりますが、8割近くの患者は「アモキサピン」を使用する薬物治療で改善が見られます。前立腺肥大治療薬の服用が原因となっているケースもあるので、この場合は治療薬を別のものに代えられるかどうか、医師に相談してみてください。
Q7. 射精するときに痛みがあります。何かの病気でしょうか?
患者数としては少ないですが、射精するときに肛門や性器の周りに痛みや灼熱感が生じることがあり、これを射精痛といいます。
原因は多岐にわたり、精液の通り道(精巣~前立腺~尿道)の炎症、性感染症、前立腺がんや前立腺がんに対する手術の後遺症、心理的要因など様々です。原因不明ということも珍しくありません。
治療としては、原因を探りつつ、基本は抗生物質で炎症を和らげるなどの対症療法になります。たとえ原因がわからなくても痛みを緩和することはできますので、痛いと感じたら決して我慢せずに早めに受診することをおすすめします。