日本で一番高い山、富士山。四季折々に見せる姿の美しさも、昔から愛されてきた魅力だ。その魅力にちなんで、北海道から沖縄まで、それぞれの郷土に、「富士」の名を冠した山がたくさんある。日本列島、津々浦々の、「ふるさと富士」をご紹介しよう。( )内は正式名称。(2007年 イミダス編集部 編)
筑紫富士(可也山)
福岡県。高さ365m。玄界灘に突き出た糸島半島西部に、秀麗な姿を見せている独立峰。糸島富士・筑前富士とも呼ばれ、山頂からは玄界灘を一望にでき、南のふもとには梅林が広がる。古来、大陸との交流が盛んで、可也山の名も、古代朝鮮の「伽耶」に由来するという説がある。また、「草枕旅を苦しみ恋ひ居れば可也の山辺にさを鹿鳴くも」と万葉集に詠まれている。
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伊万里富士(腰岳)
佐賀県。高さ488m。伊万里市の南部、伊万里港の正面に出入りする船舶を、見下ろすように顔を出している山で、松浦富士とも呼ばれる。中腹にはトラピスト修道院があり、急勾配を登った山頂からは、伊万里湾が一望できる。この山は、長野県和田峠などと並び、石器時代の石器の材料である、黒曜石の主産地としても知られている。
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