紀元前6000年ごろから人々と共に歴史を歩んできたパン。日本へは紀元前200年ごろに小麦が伝来、その後空海により806年、蒸しパンが伝えられた。現在は材料も調理法も異なる、数えきれないほどのパンが存在する。ここではパンの名称、生まれた国、その特徴やエピソードなどを紹介する。(「イミダス2002年版」掲載)
ザルツシュタンゲン
オーストリアで、よく食卓に上るパン。ザルツは塩、シュタンゲンは棒の意味。イーストを多く入れた生地を長く伸ばし、バターロールを細長くした形に巻き、表面にザルツブルクで採れる岩塩をふって焼き上げる。皮はぱりっと堅く、中はさくっと軽い食感。塩味を好むオーストリアの国民性が表れている。
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スモー・ケア
デンマークはバターを折り込んだペストリーで有名。中身によって多くの種類があるが、その代表格であるスモー・ケアは、生地にバターをたっぷり使った砂糖とのペースト、カスタード、ラム酒漬けレーズンが折り込まれ、型で焼かれたケーキ風。皮はさっくり、中身はしっとりリッチな甘さ。
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ダンスク・ルーブロード
デンマークの主食ともいえるライ麦パン。ライ麦は粗挽きで、サワー種や天然酵母種などと違う、特別な種でできた生地が使われる。ライ麦パンの割には酸味が少なく、慣れない人でも食べやすい。スモーブロー(デンマークのオープンサンド)に使われ、魚介類、肉、卵、野菜などをのせる。
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クネッケブロード
スウェーデン。板状の乾パン。イーストは使わず、ライ麦粉、大麦粉、小麦粉を混ぜ合わせて焼き、焼きあがりはたくさんの穴があいている。保存性に優れ、食物繊維が豊富でヘルシー。水分がなくクラッカーのようなさくさくした食感。魚介、肉、野菜などをのせて食べる。
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